AC/DC「Back in Black」|悲しみを抱えながら、もう一度歩き始めたバンド

名曲のひみつ / HARD ROCK

AC/DC「Back in Black」|悲しみを抱えながら、もう一度歩き始めたバンド

🎧 まずこの曲を聴いてみよう

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黒いジャケットが語るもの

黒を基調としたアルバムのジャケット。そこに書かれた文字は「Back in Black」。力強いロックの音を聴くと元気な曲のように感じられますが、作品の背景には大きな悲しみがありました。AC/DCは1980年に、それまで歌っていたボン・スコットを亡くしています。バンドにとって、続けるのか、終わりにするのかを考えなければいけない出来事でした。

新しい歌声が加わるまで

ボンの死後、メンバーは新しい歌手としてブライアン・ジョンソンを迎えました。ブライアンには、それまでの歌手のまねをするのではなく、自分の声でバンドに参加することが求められました。AC/DCの音楽にとって大切なのは、鋭いギターのリズムと、そこに負けない声。新しい歌手が加わっても、その力強さを失わないことが重要でした。

曲名の意味を考えてみる

英語の「Back in Black」は、黒に戻る、という言葉です。黒は悲しみを表す色でもあり、ステージに戻ってきた力強さを感じさせる色でもあります。具体的な歌詞をすべて一つの意味に決めつけなくても、アルバムの背景を知ってから曲を聴くと、受け止め方が変わるでしょう。

ギターは難しいことをしなくても強い

この曲のギターは、ぎっしり音を詰め込んで弾き続けるわけではありません。短い音のまとまりと、音を止める間が交互に登場します。演奏していない一瞬の静けさが、次の一音をさらに力強くするのです。音楽でいう「間」は、休んでいる時間ではありません。聴く人の気持ちを引きつける大事な仕掛けです。

もう一度、曲の冒頭へ

最初の数秒だけを聴いてみてください。ギターの音が鳴ったあとに、どれくらい空白があるでしょうか。次はドラムとベースにも注目。全部の楽器が同じリズムを支えているから、シンプルなフレーズがとても大きく感じられます。悲しみの中で新しい出発を選んだバンド。その背景を知ったうえで聴くと、ただ元気なロックとは少し違う響きが見えてきます。

空白のあとに鳴る音

この曲のギターがかっこいいのは、鳴っている音だけが理由ではありません。短く弾いたあと、すっと音が止まる。その小さな空白が、次の一音を待ち遠しくします。聴くときは、ギターが休む瞬間に注目してみてください。ドラムはずっと曲を支えながら、ギターには呼吸する場所を残しています。全員がずっと音を出し続けなくても、バンドは大きな力を出せる。これは初心者の演奏でも試せる考え方です。好きな曲を手拍子でまねするとき、音を鳴らさない拍も数えてみると、リズムの輪郭がはっきりしてきます。

第11版:もう一度聴いて発見すること

鳴らしていない瞬間のかっこよさ

この曲のギターは、弾いている音と音の間がとても大切です。ずっと音を鳴らすのではなく、短いフレーズを弾いて、わずかな静けさをつくる。その間があるから、次の一発が思い切り響きます。手拍子で同じ場所にリズムを入れてみると、演奏のすき間にも力があることがわかります。

激しい曲でも、速さだけが迫力ではありません。ドラム、ベース、ギターが同じところで止まり、同じところで動き出す気持ちよさ。そこに注目して、最初の30秒だけ繰り返して聴いてみましょう。