Joni Mitchell「Big Yellow Taxi」|ハワイの窓から見えた駐車場が、歌になった
窓の外の景色が予想と違った
ジョニ・ミッチェルは、初めてハワイへ行ったときのことをインタビューで話しています。ホテルの部屋から遠くを見ると、美しい緑の山が広がっていた。ところが目を下へ向けると、一面に駐車場があったそうです。その景色に心を痛め、歌を書いたと言います。旅先の写真に写らないような、地面に近い風景が曲の出発点でした。
明るいのに考えさせられる
音楽だけを聴くと、軽やかで明るい曲に感じるかもしれません。でも歌が伝えるのは、自然や美しい場所がなくなってしまうことへの思いです。楽しい音と真剣な言葉を同時に入れられるのが音楽の面白さ。明るい曲だから明るいことだけを歌っている、とは限りません。
ジョニは絵も描く
ジョニ・ミッチェルは画家としての顔も持つ人。景色を見て、色や形を感じ取り、それを絵や歌に変えてきました。駐車場の灰色と山の緑。目に浮かぶ色の違いが、そのまま曲のテーマにつながっています。音楽を作るとき、耳だけではなく目で見たことも材料になるのです。
歌が町の景色を変える?
ミッチェルは後年、駐車場が庭や公園に変わったという話を聞いたことにも触れています。歌が直接すべてを変えたと断言することはできませんが、曲を聴いた人が町の景色を考え直すきっかけにはなり得ます。身近な場所の大切さに気づく歌なのです。
あなたの町なら?
いつもの道に、好きな木や空き地があるでしょうか。そこがなくなったら何を思うか、想像してみてください。「Big Yellow Taxi」は、遠いハワイの話でありながら、自分の住む町を見る目も少し変えてくれます。
いつもの道に、好きな木や空き地があるでしょうか。そこがなくなったら何を思うか、想像してみてください。「Big Yellow Taxi」は、遠いハワイの話でありながら、自分の住む町を見る目も少し変えてくれます。
明るい歌い方と、気になる言葉
この曲は、軽快なリズムだけを聴くと楽しい歌のように感じます。でも、歌われているのは身近な風景が変わっていくことへの思い。明るい音と考えさせられる言葉が一緒になるところが面白いんです。
二回目は、ギターの刻むリズムを聴きながら歌詞の表情を思い浮かべてください。大切な話を難しく説教するより、思わず口ずさみたくなる形で届ける。その作り方は、今の音楽にも通じる魅力があります。
