009 遠回りが、一番の近道。|『不確かなことより、確かなことを。』

不確かなことより、確かなことを。

009 遠回りが、一番の近道。|『不確かなことより、確かなことを。』

遠回りが、一番の近道。

「もっと早く上手くなりたい。」

音楽を始めると、多くの人がそう思います。

できれば最短で。

効率よく。

無駄なく。

私も若い頃は、そう考えていました。

でも長年レッスンを続けてきて感じることがあります。

遠回りに見えることほど、実は近道だった。


例えば、基礎練習です。

指のトレーニング。

リズム練習。

メトロノーム。

コードチェンジ。

どれも地味です。

すぐに曲が弾けるわけではありません。

だから飛ばしたくなります。


でも、その基礎を積み重ねた人は、あとから驚くほど伸びます。

新しい曲にも対応できる。

難しいフレーズも理解できる。

応用が利く。

一見遠回りに見えた基礎が、一番の近道だったことに気付きます。


人生でも同じです。

すぐに結果が出る方法ばかり探してしまうことがあります。

でも、本当に力になるのは、地道な経験です。

人との出会い。

失敗した経験。

毎日の積み重ね。

そういうものは派手ではありません。

でも、あとから振り返ると、自分を支えてくれる土台になっています。


私は教室を運営する中でも、何度も遠回りをしてきました。

うまくいかなかったこと。

時間をかけすぎたこと。

もっと効率よくできたと思うこと。

たくさんあります。

でも、その経験があるから、今は判断できることがあります。

失敗も、遠回りも、決して無駄ではありませんでした。


最近は「最短」「最速」という言葉をよく見かけます。

もちろん効率は大切です。

でも、効率だけを追いかけると、身につかないこともあります。

自分で考える力。

工夫する力。

失敗から学ぶ力。

そうしたものは、少し時間をかけることで育っていきます。


音楽も人生も、焦る必要はありません。

今日できることを一つずつ積み重ねる。

その積み重ねが、結果として一番早く目的地へたどり着く道になることがあります。

だから私は、「遠回りしている」と感じたときほど、自分にこう言い聞かせます。

「今は土台を作っている時間なんだ。」


目には見えなくても、確実に積み重なっているものがあります。

それは経験です。

そして経験は、自信になります。

自信は、新しい挑戦を支えてくれます。

だから遠回りを恐れなくても大丈夫です。

一歩ずつ進んでいれば、その道はきっと未来につながっています。


ムジカスケッチで大切にしていること

ムジカスケッチでは、「早く上手になること」だけを目標にはしていません。

長く音楽を楽しめる力を育てること。

自分で考え、工夫し、成長していく力を身につけること。

そのためには、ときには遠回りに見える練習も必要です。

でも、その積み重ねは必ず未来につながります。

焦らず、一歩ずつ。

音楽も人生も、その歩みを大切にしていきたいと思っています。

不確かなことより、確かなことを。

今日の積み重ねが、未来への一番の近道になると私は信じています。



小学5年生〜中学3年生の方は、