Van Halen「Jump」|ギターヒーローが鍵盤で生んだ大ヒット

名曲のひみつ / HARD ROCK

Van Halen「Jump」|ギターヒーローが鍵盤で生んだ大ヒット

🎧 まずこの曲を聴いてみよう

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ギターより先に聞こえる音

「Jump」を再生すると、最初に大きく飛び込んでくるのはギターではありません。明るいキーボードの音です。バン・ヘイレンといえば、エディ・ヴァン・ヘイレンのすごいギター演奏で知られるバンド。それなのに代表曲の顔になっているのは、鍵盤が奏でる覚えやすいメロディーなのです。

アイデアはすぐ採用されたわけじゃない

エディは1981年ごろに、この曲につながるキーボードのフレーズを考えていました。しかし、メンバーがすぐに乗り気になったわけではありません。レコード会社Rhinoの紹介によれば、曲として形になるまでに時間がかかったといいます。ひらめきが良くても、周りが同じ気持ちになるとは限らない。音楽作りの面白くて難しいところです。

ロックの中に新しい色を入れた

シンセサイザーという楽器は、電気の力でさまざまな音を作る鍵盤です。「Jump」では、その明るい音がまっすぐ響きます。大きなギターとドラムが入ってきても、曲の中心には鍵盤のメロディーが残ります。ギターだけを主役にしない選択が、バンドの音を新しい場所へ連れていったのです。

曲の途中ではギターも大活躍

もちろん、エディのギターが消えたわけではありません。途中には速く華やかなギターの演奏が登場します。そこで鍵盤の大きなメロディーから、ひとりのギタリストの細かな音へと耳を切り替えてみましょう。同じ曲なのに、音の見え方が変わります。

聴き方を変えてみよう

一度目はキーボードのメロディーを口ずさみながら。二度目はドラムのリズムを追いかけて。三度目はギターが前に出てくる瞬間を待ってみてください。最初は反対されたアイデアも、最後にはバンドを代表する曲になりました。好きな音を信じて試してみることの面白さが、この曲には詰まっています。

ギターの名手が鍵盤で始めた

有名なギタリストがいるバンドでも、曲の主役がいつもギターとは限りません。「Jump」は最初の鍵盤の明るい音で、すぐに誰の曲かわかるくらい印象的です。そのあとにギターが入ってくると、鍵盤とは違う表情が加わります。同じ曲の中で役割を分けているのが面白いところ。聴くときは「一番最初に耳に入る楽器」と「後から勢いを付ける楽器」を分けて探してみてください。バンドでは、得意な楽器があるからといって、その楽器ばかり目立たせる必要はありません。一番伝えたい気分に合わせて音を選べばいいのです。

第11版:もう一度聴いて発見すること

ギターだけじゃないロック

ギターが目立つバンドなのに、この曲の顔は明るく響く鍵盤のフレーズ。シンセサイザーという電子楽器は、鍵盤でいろいろな音色を作れます。ギターとドラムが入る前から、跳ねるような気分を作っているのが面白いところです。

サビでは歌声と鍵盤がいっしょに押し出され、わかりやすい勢いが生まれます。ロックバンドが新しい楽器を取り入れると、もともとの魅力が消えるとは限りません。むしろ別の入口からファンが増えることもあるのです。